IMGP6760

研究室のテーマ

研究室の担当者である私(天笠)は、「通信メディアの普及・受容とその社会的影響」をテーマに研究を行ってきました。直近では、「乳幼児を持つ母親・父親の通信メディア(インターネット・携帯電話)の利用と、それを介して築かれる社会的ネットワークによって、子育てがどのように変化しているのか」を具体的なテーマとして研究を行ってきました。最近は、その社会的ネットワークの地域差(地方と都会で、どうつながりが違うの?それを作っているメディアの利用は?)にも興味を持っています。また、社会的ネットワークの議論につながる副次的な課題として、通信メディアの利用と趣味ネットワークとの関係についても、いくつかの論文を執筆しています。

IMGP6760

メディア・コミュニケーション論演習の授業(ゼミ)では、私の研究分野でもある「メディア研究(特にインターネットやケータイ・スマホなどの通信メディア)」インタビュー・観察・質問紙調査(アンケート)といった社会調査や社会実験などの、実証的な手法を用いて、行っていきます。

1: テーマについて
卒業論文に向けて、研究室に所属する各自がテーマを持つことになります。テーマは、大枠で、通信メディア(インターネット・スマートフォン・ケータイ・モバイルメディア・ソーシャルメディア)の普及・受容・活用に関わることという縛りは設けたいと思います。ですが、具体的に、誰がどこで利用するどのようなメディアをテーマにするのかは、所属する学生の興味関心にお任せします(もちろん、相談には積極的にのります)。インターネットやモバイルメディアは、学生のみなさんにとっても、とても身近なものです。そんな日常生活における利用や触れている文化の中から、好きなもの、興味を引くものを見つけ出し、研究に取り組んでみて下さい。

2:手法について
天笠研究室では、現場・フィールドでデータを取得し、それを研究に活用する事を重視します。書籍等の理論研究に偏ることなく、自分の足と手で稼いだデータを、現場で得た実感を伴って分析することで、変化の速い通信メディアの普及やそれに伴う文化の変化を生き生きと描き出していきたいと思います。
また、一般的にいうアクションリサーチも推奨します。つまり、自分で活動の現場を持ち、その現場で、調査や実証実験などを行うことで、自らの活動そのものを研究対象とするということです。
最後に、社会に対する貢献・アクションを重要視するという意味で、質的な社会調査手法を活用した、経験デザインの手法の実践と指導も、3年前期に実施する共同研究を通して行っていきたいと考えています。

3: 理論について
大学で学ぶ学術的な研究において、理論は欠かすことができない要素です。天笠研究室では、社会を見通し、解釈するための理論として、社会学の一分野である「社会的ネットワーク論」の議論を、学び・活用していきたいと考えています。また、ミクロな社会行為を解釈するための理論として、アーヴィング・ゴッフマンに代表される相互行為論なども学んでいく予定です。

semi

色々と書いてきましたが、天笠研究室のテーマは端的にいうと…、

ネット・モバイルメディアの文化を実証的(具体的なデータを取得する)手法を用い、社会学の理論を基礎に分析・実証・デザインする

ことです。好きなものをテーマに、学生の皆さんが積極的に研究室の活動に参加してくれることを期待します。

2018年12月14日編集 天笠

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>